Adrian Cadiz / DoD photo

北朝鮮危機に外交で対処するには
―― 非核化は棚上げし、核武装国家の脅威削減を

マイケル・フックス 前米国務副次官補(東アジア・太平洋担当)

The North Korea Deal: Why Diplomacy Is Still the Best Option

Michael Fuchs センター・フォー・アメリカンプログレス シニアフェロー。米国務副次官補(東アジア・太平洋担当)を経て現職。

2018年2月号掲載論文

北朝鮮は、対米抑止に必要な態勢を整えたと確信するまで、交渉には関心を示さないかもしれない。しかし、平壌がミサイルと核実験を停止することに応じ、ワシントンが韓国との合同軍事演習を停止することを受け入れれば、双方が交渉テーブルに着く道も空けてくる。北朝鮮が報復攻撃を試み、大規模な犠牲者が出ると考えられる以上、アメリカの先制攻撃を前提とする受け入れ可能な軍事オプションは存在しないし、(外交交渉を通じて)北朝鮮が核兵器を近い将来に手放すこともあり得ない。それでも、平和を維持するには外交を機能させる必要がある。少なくとも現状では、非核化は(交渉を実現するためにも)棚上げにせざるを得ない。むしろ、交渉を通じて、核武装した北朝鮮が突きつける脅威を低下させることを短期的目的に据えるべきだ。・・・

  • 交渉の前提
  • 何を交渉するか
  • 北朝鮮のアジェンダ
  • なぜ交渉が機能するか

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